技術者インタビュー
<お客様のご要望編>
全個体電池や電池以外のニーズが増えている
全体的にお問合せは増加傾向にありますが、全個体電池の試作に関するお問合せが増えている印象があります。また、コロナ禍をきっかけに、電池以外のお問合せも少し増えています。例えば偏光レンズの開発や、特殊フィルムの加工などです。汎用品の装置に特別な機能を追加するとなると予算的な問題があったり、そもそも難しかったりします。お客様が必要とする機能だけを組み込んでオーダーメイドで装置をつくるといったことが必要になるんだと思います。
ラボの利用率も上昇
当社には素材を持ち込んで思った通りに加工できるかを試すラボがあります。このラボの利用率も最近上昇傾向にあります。
設計書通りの装置があれば理論的には思い通りの材料加工ができるはずなんですが、実際には様々なことが起こってしまうものです。経験があるお客様ほどそれを知っている。なので、事前に実際の装置で加工の精度を試しておきたいということだと思います。
実際に試した上で、「この部分はこういう機能を追加した方がいい」などといった要望をお聞きしてから装置を開発していくとトラブルを防ぐことができますので、当社としてもラボのご利用をよくおすすめしています。
当社のラボは装置が多く、安価な価格設定となっていますので、かなり遠方からも利用に来られるケースもあります。
安全面重視と利便性の相反するご要望にいかに応えるか
設計段階で多いご要望はやはり安全性の強化ですが、一方で現場で多い声は利便性の向上だったりします。安全性の高い装置は面倒な手間が増えるため、利便性を損ねてしまうことがあります。この2つの相反するご要望をいかに実現していくかは、常に課題ですね。
安全性を高めるためには、例えば作業中にワークを挿入できないように両手で装置をスタートさせる仕組みにしたり、装置稼働中は回転部分に手が入れられないようにロック機能をつけたり。お客様の要求レベルに応じて様々なご提案ができるようにしています。
装置そのものではなく、設置環境のご相談も
オーダー装置を求める理由の一つに、設置環境の問題があります。
例えば、装置を設置したい場所が建物の2階にある場合。プレス装置など重量のあるものだと床が重さに耐えられるかといった心配が出てきます。このため、軽量・コンパクトなオーダー装置を求めたり、装置と床に合わせた分散板を用意することもあります。
入り口が狭いという問題も比較的多いです。普通の装置だと、分解しても入らないといったことも。当社ですと、入り口の大きさから逆算して装置の設計をすることもできますので、よほど小さな入り口でなければ対応することができるわけです。
他にも様々なニーズを日々お聞きしています。当社はこうしたニーズに様々な対応を行ってきており、装置の様々なところに工夫をしています。もし、バッテリー試作の装置で何かお悩みをお持ちの場合は、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。