バッテリー試作装置に関する技術情報・ロールコーター用途や材料で検討すべきこと

ロールコーターの選定では、塗工方式だけでなく、スラリーの粘度、目標膜厚、基材特性、乾燥条件まで含めて検討することが重要です。条件に合わない方式を選ぶと、塗工ムラや膜厚不良の原因になります。 また、間欠塗工の有無も選定に必要な条件です。

塗工液の粘度や塗工厚みに応じた方式選定

塗工液の粘度と塗工厚みは、膜厚の均一性や塗工の安定性を左右する極めて重要なファクターです。液特性に応じた最適なヘッド方式を選択する必要があります。 粘度特性によって塗工性や膜厚精度は大きく変動するため、最適な選定には事前の「塗工評価・テスト」による検証が不可欠です。

グラビア方式・・・低粘度、薄膜に向く
ダイヘッド方式・・・低・中・高粘度
ダイレクト方式・・・中・高粘度

塗工厚さによって最適な塗工方式が違います。

薄膜塗工(~20μm程度)
主な用途
セパレータコーティング、保護層コーティング、ハードコート、離型フィルム。
代表的な方式: グラビアコーター

中膜塗工(20~200μm未満)
主な用途
リチウムイオン電池の正極・負極
全固体電池用電極
燃料電池用触媒層
粘着剤・機能性フィルム
代表的な方式: ダイコーター/ダイレクトコーター

厚膜塗工(200μm以上)
主な用途
高容量LIB正極 高容量LIB負極
全固体電池電極 固体電解質
LIB厚膜電極
代表的な方式: ダイレクトコーター/ダイコーター

基材に合わせた高精度テンション制御

アルミ箔、銅箔、PETフィルムなど、扱う基材の材質や厚みによって「伸びやすさ」は大きく異なります。装置の搬送ラインは共通であっても、基材の特性に合わせてテンション(張力)を緻密にコントロールすることが、高品質な塗工の絶対条件です。 特に、箔や薄型フィルムはわずかな張力変動でシワや蛇行が発生しやすいため、駆動ロールとテンションセンサーを連動させた高度な制御が極めて重要になります。

安全・環境対策:有機溶剤への確実なアプローチ

NMP(N-メチル-2-ピロリドン)をはじめとする有機溶剤を使用する場合、引火による火災リスクの排除と、作業者の健康を守る環境設計が不可欠です。 当社では、電気部品の防爆対応(エアーパージ)はもちろん、揮発した溶剤を安全に処理するための溶剤回収塔の連携、これら安全性を極限まで高めた装置構成は、量産工場だけでなく、初期の研究・開発設備(ラボ機)においても同様に極めて重要となります。

資料請求・お問合せはこちら